カウンター


最新の記事


カテゴリー


月別アーカイブ


最近のコメント


最近のトラックバック


プロフィール

管理人:あにみつ

このブログはリンクフリーです。
ご自由にどうぞ^^

個人的なご連絡はコチラへどうぞ。
animitsu◎yahoo.co.jp
(◎を@にして下さい)


ランキング

FC2ブログランキング 人気ブログランキング
応援のクリックお願いします。


ブロとも申請フォーム


ブログ内検索

アクセスランキング

アクセスランキング 全ランキング表示

ネット小説ランキング>短編集部門>「【SSS】ショートショートストリート」に投票

ネット小説の人気投票です。投票していただけると励みになります。(月1回)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



予知夢

二十歳の誕生日を迎えた日、僕は自分の持つ超能力に初めて気付いた。
いわゆる予知夢ってやつだ。

その日は大学の友人5人が僕の誕生パーティーを開いてくれた。
普段は冗談等は言わない質だったが、初めて飲んだ酒に酔っていた所為もあってか、僕は今朝見た夢のことを小学校時代からの親友であり幼なじみでもあるティーにだけコッソリ話してみた。

エム「あと1分後に震度3の地震が来るよ……」
ティー「はぁ?いきなり何言ってるの、お前!?」
エム「いや、今日見た夢ではそうだったんだ……」
ティー「予知夢だとか言いたいのか?エムにそんな能力があるわけないだろ?
お前、二十歳になるまでは酒飲まねえとか言うし、超真面目人間だと思っていたけど酔うと意外に面白いな(笑)」

ティーは僕をバカにしたあと、大声で他の4人に話し始めた。

ティー「もうすぐ震度3の地震が来るぞ!!」
「何言ってんだお前!?予言者のつもりか?」
ティー「違う、エムが言ったんだよ。そんな夢を見たんだとよ」
「ティーじゃなくて普段冗談や嘘を言わないエムが言ったとなるとホントかもって思ってしまうな…」
「そうだよな、クソ真面目なエムが言うと冗談に聞こえんな。しかも今日は二十歳の誕生日だし…おっ!!」

揺れた!!
本当に1分後に地震が来た!!

ティー「ちょっ……!マジかよ!!」
「ウソ!コレって震度3ぐらいだよな!!」
「テレビ観てみようぜ」

僕たちは固唾を呑んでテレビに釘付けになった。
数分後テレビで速報が流れた。震度は3だった。

ティー「一回だけだからな、偶然かもしれん。明日だよ、明日!エム、明日もどんな夢を見たのか教えてくれよ」
エム「ああ……」

友人達は驚いたが、僕ももちろん驚いた。
確かに偶然かもしれないが、時間、震度ともに正確に一致した。
こんな偶然はあり得るのだろうか。

翌日、大学に着くと十数人の人達に囲まれた。
昨日の話が既に広まっていて僕が今日見た夢を聞きに来たのだ。
僕は極度の上がり症で、大勢の人達の前で話す事が出来ないのでティーに今朝見た夢を話し、代弁してもらう事にした。

ティー「今日はA国で大規模な山火事が起きます!」

ティーは調子に乗り予言者っぽく言った。
その日のお昼、食堂のテレビではA国で起きた大規模な山火事を伝えていた。
またも夢の通りになったのだ。
今朝集まっていた人達や友人達が僕の周りに集まってきて騒ぎだした。

「スゲーー!コレはホントに予知夢だろ!!」
「ああ、二日連続だもんな!!」
「今日も天災の夢なんだな。今日の山火事は自然発火みたいだし」
「人が起こす事を予言しても故意に外す事が出来るから天災の夢しか見ないんじゃないかな?」
ティー「なるほど、そうに違いない!今後エムは天災の夢しか見ないって事だ!!」
エム「そうなのかな……」

その次の日以降、日を増す毎に毎朝の人だかりが増えていった。
もちろん夢を見ない日も多かったが、見る夢は必ず天災に関する夢だった。
そして、見た夢を話す……と言っても僕はティーに話し、ティーが僕の代わりに話すのだが、必ずその通りになった。

初めて予知夢を見た日から一ヶ月が経過した頃には、僕の能力に関する噂は大学中に広まっていた。

そして……

ティー「おい、エム。お前テレビに出ることになったぞ!」
エム「なんで!?」
ティー「オレが売り込んでおいた」
エム「勝手なことするなよー、テレビなんて無茶苦茶緊張するよ」
ティー「大丈夫!オレも一緒に出て、いつも通りオレが話すからさ!ところで今日は夢見た?」
エム「ああ、見たよ。夕方5時過ぎ○○県で震度5弱だ」
ティー「マジかよ!?それなら今日の昼にはテレビデビューだ!!」

ティーは勝手に話を進めていたらしく、この日のお昼の生番組に出演する事になった。

ティー「僕の友人であるエム君は○○大学では知らない人が居ない程の有名人です。なんと彼は二十歳の誕生日以来、予知夢を見る能力を身につけたのです!そして、なんと彼の見る予知夢の的中率は100%なんです」
司会者「そうですか…。で、エムさん、今日はどんな夢を?」
エム「あっっ!!…………えっとぉ………そ、その………」

大学で数人に囲まれても恥ずかしいのにテレビ出演だなんて……。
極度の緊張で顔が真っ赤になってしまった。

ティー「えっと……。エム君は極度の上がり症なので私が代わりに……。
今日の夕方5時過ぎ○○県で震度5弱の地震が起きます!!」

ティーの発言に続き、司会者がバカにしたような顔で言い放った。

司会者「……らしいですので○○県の人は警戒して下さいね(笑)」

見学に来ていた人達やスタッフから笑いが起こった。
僕らは見せ物にされた。
テレビ局はハナからそのつもりだったのだ。
テレビ局からの帰り道、ティーはこう言った。

ティー「オレも最初は信じられなかったし、しょうがないよ。アレが当然の反応さ。でも時間になればみんなお前が本物の予言者だって事を知るんだ。
……そしてお前は世界一の有名人になる」

夕方5時過ぎ○○県で震度5弱の地震が起きた。
数分後、ティーの携帯電話が鳴り響いた。
テレビ局の人からの謝罪と再出演の依頼の電話だった。

翌日、大学の前にはテレビレポーターが待ちかまえていた。
それから僕は毎朝テレビに出る事になった。
もちろんティーに代弁してもらって。

初めて予知夢を見た日から二ヶ月が経過した頃には、世界中で僕の予言が放送された。

世界各地で起こる大雨・洪水・地滑り・雪崩・大雪・大雨・噴火・地震・津波・竜巻・台風・落雷・山火事等をテレビで予言した。
外国の夢を見る場合は被害が大きいものだけだが、日本国内の天災については被害もあまりないような地震や台風の進路なども夢に見た。
もちろん全て的中した。
世界各地で起こる多数の犠牲者が出る大災害の全てを予言できるわけではなく、それらを予言できるのは50%といったところだ。
それでも僕の予知夢により多くの人が被害を免れた。

そして僕は世界中の人から神の如く崇められた。
世界的な重要人物として扱われ大規模な警備もつけられた。
世界各国の政府・個人から多額の謝礼を貰った。

大学を卒業すると政府から僕達専用の官邸が用意された。
敷地内には放送局も用意された。
毎朝僕の予言を放送するためだ。
もちろんティーが僕の代弁をし、僕は横で座っているだけ。
僕は毎日必ず朝6時に起きるので、毎朝7時から僕の予言が日本中で放送された。外国の夢の場合はその数分後に該当国の言語に通訳され該当国の全テレビ局で放映された。
夢を見なかった日も、「夢を見なかった」とだけ放送する。
僕が夢を見なかった日は何も起こらない可能性が高いって事になり安心出来るからだ。
僕はティーに夢の内容を告げ、ティーがそれを放送する。
コレが僕たちの日課であり唯一の仕事だ。


大学を卒業して3年が経ったある日のこと………。


ティー「本当なのか?」

ティーの顔は青ざめていた。当然の反応だ。

エム「……ああ」
ティー「こんなの発表したら大パニックになるぞ!!」
エム「そうだろうな……。でもさ、もしかしたらなんとかなるかも知れないし」
ティー「なんとかって……どうしようもないだろ」
エム「やってみなけりゃわからないだろ。発表しなければ間違いなく夢の通りになるだけ……。1%にも満たないかも知れないけど発表すればなんとかなるかも知れないし、もしダメだとしても最後の1日だと知っていれば、みんな最後にしておきたい事が出来るじゃないか!単身赴任の人なら家族のもとへ行ったりとか、好きな人と一緒にとか……」
ティー「……そうだな。俺たちの胸の内にしまっておいても何も変わらないもんな。……よし!発表しよう!!」

そして放送時間になった。
スタジオは静寂につつまれている。

ティー「今日の予知夢は世界中のテレビ・ラジオ・インターネットを通じてなるべく多くの人に伝えて下さい」

一呼吸おいてから続けた。

ティー「今から約6時間後……日本時間の本日午後1時頃…………巨大隕石の衝突により…………地球は滅亡します!!」
エム「……世界中のみんなが協力して……な、なんとか阻止しましょう!!!!」

……。

…………。

しばらく経った後、スタジオの奥から一斉に十数人の人達が入ってきた。

「はい!オッケーでーす!!お二方、ご出演ありがとうございます!!」

そう、僕たちは映画に出演する事になったのだ。
いつもの専用スタジオで通常の放送終了後に撮影が行われた。
僕が緊張してしまうのでスタジオを無人にし、カメラだけを回し撮影した。
映画の内容は……僕の予言により発見された地球に向かう巨大隕石。その衝突までの6時間の人類の行動を描いた物語……らしい。
巨匠と呼ばれる監督による超大作だ。

「よお!お疲れさん」

スタッフの一人が僕たちに近づいてきた。

ティー「おー!!ケイじゃないか!久しぶり!!ほら、エム、覚えてるか?小学校の時よく遊んだだろ!?」
エム「あっ!もしかして、小学校の時同じクラスだったあのケイ!?」
ケイ「当たり!!」

ケイは小学校卒業寸前に、父親の仕事の都合でアメリカに引っ越した。それ以来会っていなかった。実に13年ぶりの再会だ。

ケイ「今から制作発表会があるから行ってくる。昼からは暇だから飯でも一緒に食おうぜ」
ティー「おう!」

正午過ぎ、僕たちは昔話をしながら昼食を一緒に食べた。

ティー「そう言えばお前映画のスタッフになったのか?」
ケイ「違う違う!主演俳優だぜ!!」
ティー「マジで!?」
ケイ「ほら!今テレビに出てるだろ」

店にあるテレビではお昼の情報番組が流れていた。
ちょうど例の映画の制作発表会の様子が映し出されており、主演としてケイが紹介されているところだった。

ティー「ホントだ!すげーな……」
ケイ「いや、お前等の方がすげーよ!今や世界一の偉人だもんな」
ティー「まあ、オレはエムの代わりに喋るだけだがな(笑)
そういや、お前小さいときから俳優になりたいって言ってたなぁ?」
ケイ「まあな、正直自分でもビックリだよ。あっ!今思い出したけど、オレがアメリカに行く日にティーが『お前は絶対に世界一の映画俳優になる!』って言ってくれたよな」
ティー「そうだったっけ?」
ケイ「ああ、間違いない!……実はオレ、アメリカに行ってからはコメディアンを目指してたんだ。で、去年初めてテレビに出たんだけど、偶然それを見ていた監督から『映画に出ないか』って誘いがあったんだ。そして……いきなり超大作の主役なんだぜ!なんかティーが言った通りになったんだよなあ」
エム「スゴいなぁ!……あっ、そう言えば」

ケイの話を聞いている内に僕も昔の事を思い出した。

エム「僕も小学生の頃『将来は人の役に立つ仕事がしたい』って言ってた。それを聞いたティーは『お前なら世界中の人の役に立つ偉人になれるぜ!』って言ってくれたんだよ」
ティー「そんな事言ったっけ?」
エム「うん、言ってた」
ケイ「そう言えばあの頃、運動会とか遠足の前の日にティーが『明日は絶対晴れる!』って言うと晴れになって、マラソンとかの前の日に『明日は絶対雨だ!』って言うと雨になったよな……」
エム「うん、確かにそうだった……」
ティー「そうだっけ?偶然じゃねーか?」
ケイ「いや、天気予報で明日は雨って時でもお前が『明日は晴れ』って言った日は晴れてたし……」
エム「……」
ティー「偶然……だろ?」


………。


しばらく沈黙が流れた。


………。


!!



ケイ「あっ!!」

僕も声をあげる寸前だったがケイの方が一瞬だけ早かった。
ケイの顔を見る限り、どうやら僕と同じ事を思いついた様だ。

ケイ「ティー……あのさ……」
ティー「なに?」
ケイ「『今すぐ雨は止んで雲一つ無い晴天になる!』…って言ってみろ」

やっぱり僕と同じだ。

ティー「なんだそれ?こんな土砂降りなのに止むわけないだろ!それに天気予報でも今日は1日中雨だって言ってたし!」
ケイ「いいから言ってみろよ」

ティーは僕をチラッと見たが、僕は無言で頷いた。

ティー「今すぐ雨は止んで雲一つ無い晴天になる!!……これでいいのか?」

僕はすぐに窓の外に目をやった。
さっきまで降っていた雨がピタっと止み、雲一つ無い青天が広がっている。
店のテレビからは1時を告げる声が聞こえ、空には……
スポンサーサイト



 | HOME |  ▲ page top

copyright © 2006 【SSS】ショートショートストリート all rights reserved.     




上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。